名古屋陸運2回目のユーザー車検
カスハラ客に餌を与え続けたバス会社に未来はあるか
富山氷見ブリ丼小紀行
ドラクエとファイナルファンタジーとジョブ型雇用のナゾ
なぜバス運賃は上がらないのか


名古屋陸運2回目のユーザー車検

 税理士事務所は12月から年末調整作業、法定調書・給与支払報告書・償却資産税申告書の提出と忙しくなり、2月に入ると個人客の確定申告作業で非常に忙しくなる。そんな状態で副業に過ぎない社労士については全く手が回っていない状態である。そんななかでもバイクの車検期限は3月になっているので車検に出さなければならない。秋頃の比較的暇な時期に車検期限を移そうか検討しているが、4月から2か月前から車検が受けられるようになるのでもうちょっと様子見をしてもいいかなと考えている。

 車検の話は2年前にも書いているが、今回も同じユーザー車検である。私は20歳のときに大型バイクに乗り始めてからのすべての車検をユーザー車検で行っており、はじめは少しでも費用を抑えたいと始めたものだが今ではライフワークとなっているため、今回も忙しい中でも年休を取ってユーザー車検を受けることにしたのである。

 検査の流れ自体は2年前とはあまり変わっていないので特記することはあまりない。今回も点検をあらかじめバイク屋で行ってもらっている。ただ、ちょうど名古屋陸運の二輪車検査レーンが工事中ということで予約が非常に取りづらかった。車検予約システムは0時に受付開始なので日付が変わると同時に申し込み予約を取った。なお、予約を取らないと検査を受けさせてはもらえないということはないようだが、当然後回しにされるので時間がかかってしまう。

 検査前に車検場近くのテスター屋で光軸調整をしてもらう。四輪車はロービーム検査に移行したが二輪は今もハイビームでの検査である。

 8:15に庁舎となりの外郭団体(名古屋陸運の場合は「愛知県自動車会議所」)の建物の入口が開くので、列に並んで8:30の営業開始と同時に印紙を購入しまた自賠責保険を更新する。

 次は8:45から窓口での受付開始だが、今回新しくなったものとして、受付前に設けられた端末で車検証のQRを読み込ませれば名前等がすでに印字済みの申請用紙が印刷されるようになった。プリンターから出てきた紙の重量税の用紙に重量税印紙を、厚紙の検査票に審査証紙と登録印紙を貼って窓口に提出するだけでよくなったので、手続きはますます楽になった。ただし、予約をしていないとこのシステムは使えないそうである。

 検査は大型自動車のレーンに並んで大型自動車の計測機器での測定である。ブレーキテストはいつものようにローラーに載った状態でブレーキを目一杯かけるが、大型車用だけあってフルブレーキでもローラーがなかなか止まらない。スピードテストは大型車用だと危ないので、敷地内を20キロで走るよう指示され検査官が目測で判定する。15年ほど前に帯広陸運で検査を受けたときは二輪レーンがなくブレーキ検査とスピード検査はやらなかったと記憶しているが、今回の名古屋では「一応」やるという感じである。

 大型車の列に並んで、大型車は見る項目が多いため時間がかかり待ち時間が長かったが、それでも9:25には車検証の更新(電子車検証なのでデータの書き換えだけである)がすべて完了した。

 最後に要した費用を書いておこう。

  検査登録印紙500円
  審査証紙1,300円
  重量税印紙3,800円
  自賠責保険8,760円
  2年点検26,320円
  光軸調整1,650円

 バイク屋で実施してもらった2年点検は前回に比べ6,500円も高くなったが、それ以外の費用はこの物価高にも関わらず変わらずで、結果として非常にリーズナブルである。

 自分の人件費さえ無視すればユーザー車検は安上がりだし、2年ごとの検査の儀式で愛車への愛着も沸くのでおすすめだと思っている。

(2025.3.2) ホームページに戻る


カスハラ客に餌を与え続けたバス会社に未来はあるか

 ここ数年でカスハラ(カスタマーハラスメント)に対する世間の注目度が上がっているというか潮目が変わっていると実感する。少し前までは「お客様は神様」と、サービス提供者側は無理難題を受忍せざるを得ないのが当たり前だった。企業側もお客様の声にビジネスチャンスありと、フリーダイヤルのお客様センターを設けたり、製品に不備があるとの申告にお詫びとして自社製品の詰め合わせを送ったりしていた。

 ここ数年でSNSを中心に「お客様」への逆襲現象―不当要求の逆さらし―がよく見られるようになった。企業側もお客様のわがままに耳を傾けるよりChatGPTの意見を聞いたほうが合理的で従業者も疲弊しないことにようやく気が付き、お客様センターの番号も必ず課金されるナビダイヤルに変わっていっている。コンビニなどでもカスハラ行為お断りといったポスターを見かけることが増えてきた。

 行政も動いている。令和5年の労災認定基準の改正に続き、今年の4月に東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の施行などがある。労働施策総合推進法も改正が予定され、いま企業に課されているパワハラ対策と同程度の対策をカスハラに対しても行うことが義務化することが見込まれているという。

 さて、私の昔いたバス会社では「お客様」から直接苦情を受けるほかに、営業所やお客様コールセンターに電話をかけてくることがある。乗務員に苦情を言ったがその回答に納得できないので電話した、というのも多い。そのときに、会社はその内容が無茶苦茶でもだいたい「うちの乗務員が悪うございました」と謝ってしまう。そして、乗務が終わったあとにその無茶苦茶なクレームに対して「お客様に反論するな、謝罪しろ」とか「お客様第一でやれ」とか「決められたことをやれ(ただし、ルールブックに書かれているとは限らない)」とかあまり具体的でない内容の指導・叱責を受けるのが常であった。

 私の古巣がヤバい会社なのかもと思っていたが、SNSで見ると同業者で同じような理不尽に耐えている人は多く、こういった歪んだ顧客第一主義は多くのバス会社で見られる現象のようである。高槻市営バスのように不当な苦情に対してきちんと反論する事業者もあるが、少数派である。

 思うに、会社は乗務員を統制するのに「お客様の声」を都合よく利用しているのではないか。「お客様のご意見なんだからごちゃごちゃ言わず従え」と、「お客様の声」を錦の御旗のように、乗務員を会社に屈服させるための材料として便利に利用しているのではないか。

 なにせ、乗務員には曲者も多い。管理者も乗務員に舐められたら終わり、という体育会系組織である。もともと裁量の余地があまりない仕事であるし、乗務員に好き勝手やられたら組織が崩壊してしまう。管理者に従わせ続けることが組織運営上必要、ともいえなくもない。ただし、それは明快で合理的なルールに基づくべきものだ。

 その便利に使えた「お客様の声」がもうすぐ使えなくなるのである。もちろん正当な苦情に対して真摯に対応しなければならないのは変わらないのだが、バス会社・乗務員に来るクレームの多くは「バスが遅れたせいで遅刻した、謝罪しろ」的なものを筆頭とする、サービス提供者側には特に落ち度がない不当なものである。具体的にどのような内容かは、前述の高槻市営バスのサイトを読んでみてほしい。まともに相手にする必要はないのではという案件も多いが、バス事業者は国交省令にて苦情に対する弁明義務が課せられているため何らかの対応は必要である。

 余談ではあるが、バスが遅れた系の苦情に対しては指導されることはほとんどなかった。定時運行を指導して焦りから事故を起こされてはたまらないからだろう。

 これからは会社はそういう「お客様」から従業員を守らなければならず、いまのようにカスハラに追い打ちをかけるように叱責を浴びせる行為はパワハラにも該当しうるようになる。

 パワハラの3要件の一つに「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」というのがあり、現状は当社は顧客第一主義なんだからお客様のご意見に基づく正当な指導で「業務上必要」という主張が今後は通らなくなり、パワハラの構成要件を否定する理由が一つ減るのである。

 これから管理者が乗務員をどう統制していくかに注目である。昭和のときのような怖い運転手さんが今後増えるかもしれない。

 なお、「顧客第一主義」とは顧客のためになることに全力で取り組むことを指し、そのことは顧客のわがままに応じることと必ずしも一致しない、と私は考えている。

(2025.2.8) ホームページに戻る


富山氷見ブリ丼小紀行

 去年の暮から本業の税理士事務所の方の仕事が忙しい状態が続いているが、どうしても氷見の寒ブリが食べたいと無理をして北陸1泊の旅をしてきた。

 今回は昨年に静岡の診断士の先生に教えていただいた「北陸観光フリーきっぷ」なる商品を使う、乗り鉄旅である。このきっぷなら1回の旅で北陸本線経由と高山本線経由の両方を楽しむことができる。4日間有効なのでせめて2泊したいところだが、残念ながらそこはなんともならなかった。

 今回、土日行程の土曜日は所要で何時に出発できるかわからなかったので、行きは便数の多い米原経由とし、帰りは富山を13時過ぎに出る高山経由とした。これなら名古屋には17時過ぎに戻ってこれるので次の日にも響かないだろう。

 土曜日は色々用事を済ませて出発できたのが12時前。指定は取っていなかったのでそのまま新幹線の自由席に乗って米原を目指す。

 米原では一つの目的がある。米原駅で長年駅弁を販売する「出筒屋」が今年の3月末で駅弁事業から撤退するというのだ。前に米原で駅弁を買ったのは多分20代の頃でだいぶ前の話だが、無くなる前にもう一度行きたいと思っていた。

 はたして、到着したときには駅弁は全部売り切れていたが、しばらくすると補充があるという。結果としてちょうど接続する特急しらさぎは見送らざるを得なかったが、しばらく待ったのちに名物駅弁「湖北のおはなし」と再び対面することができた。これがこの日の最終ロットで、それも次のしらさぎ号の時刻までには売り切れてしまったから危なかった。

 しらさぎ号米原発敦賀行きは乗車時間30分ほどのかなり短距離特急である。この程度の距離であれば快速電車で十分な気もするが今のところ特急で残っている。しらさぎには名古屋直通便もあるので一律に快速に格下げするのが難しい面もあるのかもしれない。

 北陸新幹線の敦賀と大阪の間はルートすら決定していない有り様であるが、小浜ルートで建設された場合は名古屋から福井方面はこの面倒な乗り換えルートが固定化されることになる。名古屋民とすれば米原ルートを当然推す。JR東海にとっても米原ルートだと首都圏〜北陸で名古屋経由が選択肢に入るようになるのだから悪くない話のはずだが、あまり乗り気ではないようだ。

 ほどなく北陸新幹線開業で要塞と化した敦賀駅に到着。1階が在来線ホームで2階に乗換改札口があり、3階が新幹線ホームとなっている。

 乗り換え時間が足らないと報道されたりもしたが、動線は明確で迷うような作りではない。ただし、予め新幹線のきっぷを買っていなかったりチケットレス乗車の設定をしていないとここできっぷを買わなければならないため、一本見送らざるを得ないだろう。

 九州新幹線のように対面乗換はやろうと思えばできたはずだが、ここで無札客を弾く関所を設けなければ不正乗車の温床となってしまうことを考えて、1階から3階へのめんどうな垂直乗り換え構造としたのだろう。

 敦賀で各駅停車タイプの「つるぎ」と接続したが、金沢までの新規開業駅が、越前たけふ・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松と多く、通過待ちはないものの非常にだるい。最高速に達しないうちに次の駅に着いてしまう感じである。停車駅数でいえば開業前のサンダーバードやしらさぎとほぼ同じである。今まで乗り換え無しで行けたのが、乗り換えが発生してさほど時短効果もなく特急料金が高くなったのだから、新幹線が出来て逆に不便になったという話もよくわかる。

 今回は金沢で降りず新高岡で下車。北陸各駅で新高岡だけ既存駅から離れて新幹線駅が設けられた。地図を見る限り既存駅への乗り入れもできそうであるが、色々事情があったのだろう。

 結果として高岡駅へは1駅だけ非電化ローカル線の城端線に乗らなければならない。接続もあまり考慮していないのか20分ほど待たなければならなかった。高岡市だけ、新幹線の恩恵を十分に受けられていないのではという気がしたが、市街地から外れているために駐車場はたくさんあって車中心社会だとそのほうが都合が良いのかもしれない。

 高岡駅からは万葉線に乗り換えて市内にあるホテルへ向かう。万葉線は旅客需要は多くないと思われるが15分ヘッドで頑張っている。

 17時前にはホテルに着いたが、疲れが溜まっていたのでそのまま休んだ。

 次の日曜日は、氷見線の始発に乗って氷見へ向かう。氷見駅から徒歩20分ほどの「氷見魚市場食堂」には6:40ごろに到着。6:30開店であるがすでに70数番目であり、店内に入れたのは8:50頃であった。

 かなり待つことになったが、ようやく絶品のぶり丼(漁師汁付きで3,000円)と対面。散々待ったのだからとブリカマ(2,000円)も頼んだのだが、一人で頼むには量がやや多くあとの方はきつかったので少し後悔。


 お腹がふくれたあとは徒歩10分ほどにある氷見温泉で塩分濃いめの温泉を楽しんで駅に戻る。去年来たときは震災で崩れた家屋があちこちにあったが、更地になっていたり真新しい家が立っていたりと、氷見に関して言えば復興はだいぶ進んでいるようである。

 帰り道、雨晴のあたりで立山連峰がよく見えた。時間があれば途中下車したかった。

 結局ギリギリの乗り継ぎになってしまい、富山では途中下車することなく特急ひだに乗車。現在用いられているHC85系は、ディーゼルカーではあるがエンジンは発電用でモーターで進む。エンジンは運転席寄りにありモーターはその反対側のトイレ寄りにある。今回はエンジンから遠い席を指定で取っていたが、エンジン音はほとんど聞こえず電車に乗っているかのような感覚であった。

 高山本線経由は時間が掛かるが、乗り換える必要もなく、途中買った富山の酒をちびちび飲みながら車窓を楽しんでいるうちに名古屋に着いたので快適だった。

 たったの2日間で、しかも疲労が溜まっているなかの省エネモードでの旅だったがいい気晴らしになった。来年は頑張って3連休を確保して、氷見以外にもあちこち回ってみたいものだ。

(2025.1.26) ホームページに戻る


ドラクエとファイナルファンタジーとジョブ型雇用のナゾ

 「ドラゴンクエスト3」のリメイク版が発売されて1か月ほどたった。ドラゴンクエスト3は小学生の時にさんざんやり込んだもので思い出深い。リメイク版は対応のハードを持っていないので今のところ様子見である。

 ドラクエ3の特徴の一つが「転職」だろう。この転職システムによって魔法が使える戦士が作れるなどプレイの幅が広がっている。ただし、転職するにはレベルを20まで上げなければならず、転職後はレベルが1になって各ステータスが半分にまで減ってしまう。よって戦士から魔法使いに転職させてもちょっと腕力が強い程度の魔法使いになるが剣などは装備できず、また魔法もメラから覚え直しというかんじである。転職させてメリットがあるのはレベルを上限までに引き上げてステータスが頭打ちになるころであって、やりこみをするにはいいが最短プレイでは賢者への転職を除いてはあまり使う場面がない。ただし、これはファミコン版のときの話であって、リメイク版では色々手が入っていると聞く。

 ドラクエ3の発売から4年後、私が中学生のときにリリースされた「ファイナルファンタジー5」では、ドラクエを意識したであろうジョブチェンジシステムが導入された。こちらはストーリーが進むごとにジョブを入手することができ、ジョブチェンジ(転職)はいつでも好きなときにできる。そのジョブの状態で経験値を積むとアビリティを獲得でき、その獲得したアビリティは他のジョブのときにもセットして使うことができる。ドラゴンクエスト3よりもかなり自由度が高く、ほしいアビリティをゲットしたらジョブチェンジをして他のアビリティをゲットするようなプレイをする方が多かったのではないだろうか。

 私が高校生の頃はまだ終身雇用の時代で転職はあまりポジティブな捉えられをしていなかったように思うので、FF5は当時としては斬新だったように思う。DQ3の転職は、転職後はパーティのお荷物になって、レベル20ぐらいでの転職だと中途半端なメンバーにしかならず、失敗したなぁと思ってもレベル20までは再転職できないといった、当時のネガティブな価値観に近いもののように感じられる。

 古臭い話題はさておき、いまは日本政府においてもジョブ型人事指針の策定や雇用保険の待機期間の短縮など、ジョブ型雇用への転換の促進と終身型雇用を終わらせようとする動きが活発化している。退職金の税制面での優遇の見直しの動き(勤続年数が長いほど有利な税制の見直し)も関係があるのだろう。あとは、公務員の年功序列的な人事制度を見直し始めたらいよいよ本気なのかなと思うが、そちらは今のところあまりは動きはないようだ。

 私の場合、FF5に例えるとSEやバス運転手をやって固有のアビリティを獲得した社労士ということになる。20代で社労士になって経験を積んできた先生とは社労士のアビリティではどう転んでも埋められない開きがあるが、私はSEとバス運転手のアビリティを持っているのでやり方次第では商売になるだろうということだ。問題は私自身がどんなアビリティを保有しているのかよくわかっていないということである。結局はステータスが半分になっただけの中途半端な社労士さんですね、とならないようにしなければならない。

(2024.12.15) ホームページに戻る


なぜバス運賃は上がらないのか

 私は、路線バスの健全化のためには運賃を値上げして乗務員の給料を引き上げと労働時間の削減を行うことが不可欠と考えているが、現状としてバス運賃の引き上げはあまり進んでおらず、数%の値上げで大騒ぎという状況だが、物価がどんどん上がって平均賃金も1500円を目指して毎年引き上げられているのになぜバス運賃の値上げは進まないのだろうか。

 バス運賃の値上げには国土交通大臣(運輸局長に権限委任)の認可が必要で、その認可のための審査に「ヤードスティック方式」というものが用いられている。

 ヤードスティック方式は、事業者間での効率性やコスト管理を促進するために採用される料金規制手法であり、具体的には、同業他社の運営実績を「基準」として、適正なコストや収益を設定し、それに基づいて運賃・料金を決定するものである。

 具体的には、同地域内で運営する複数のバス事業者のコストや運賃を比較し、平均的な基準(ヤードスティック)を設定し、各事業者がその基準を下回るコストで運営していれば利益を確保できるが、基準を上回るコストについては「無駄」であり無駄に対しては料金の値上げが認められにくい、というものである。バスの場合は、全国を21のブロックに分けてヤードスティックを設定する。愛知県の場合は「東海」ブロックとなり、愛知県のほかに三重県と岐阜県が入る。

 そういう状況では、例えばいまの基本給20万円を30万円に引き上げて人材獲得をしたいとしても、他社が追随しなければその10万円は「無駄」であるとして運賃算定の根拠に含めることができない。

 早い話、バス運転手の賃金を低く押さえつけているのは国なのである。まずは給料以外で人材獲得に努めなさい、それをしないのでは国民は納得しませんよという論法である。

 バス運転手の仕事の魅力発信などと称して色々なイベントが企画されて、でも給料は低く据え置いたままということについて、Twitterなんかでは批判する声が多いが、それをさせているのは国であり国民なのである

 少し値上げするだけでも企業の努力不足と叩いて、じゃあもう無理なので路線廃止しますとすると公共交通事業者の責任を放棄していると叩く。まずはこういう風潮を変えていく必要がある。

 少なくとも、今年から労働時間の上限規制が始まって、原価である人件費が大きく変動している部分の価格転嫁は早急にすべきだ。現在の法定の割増賃金率1.25倍(但し、60時間を超えた部分は1.5倍)は「均衡割増賃金率」47.1%を大きく下回っている。均衡割増賃金率とは、従業員を残業させるのと増員するのが同じぐらいの割増賃金率であり、早い話1.25倍というのは人を雇うより残業させたほうが安く済みますよということである。よって、上限規制がなされたことで増員をせざるを得なくなったというのはコストアップにつながっているということである。

 また、運賃認可制度ももっと柔軟さが求められるところだ。例えば物価スライド制や平均賃金スライド制にして、物価や賃金の上昇率の範囲内であれば届出だけで運賃を引き上げることができる仕組みがあるといいだろう。

 物価が上がっているのに運賃が上がっていないということは、実質的に運賃を値下げしているということだ。今のバス業界の現状を見て、値下げをするような状況ではないことは誰が見てもわかるだろう。

(2024.12.1) ホームページに戻る


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